ISO 19650の概要

　ISO 19650とは、あらゆる建設資産・プロジェクトを対象に推奨される「情報管理の考え方や方法」を定めた国際標準です。
　BIM^※によるデジタル情報を活用した設計・施工・運用プロセスの円滑化を目的とし、BIMを実施する際の“一般的な情報管理の原則”を規定しています。

※ISO 19650では、BIMとは「設計・施工・運用プロセスの円滑化のために、建設資産のデジタル情報を共有・活用すること」と定義されています。

　ISO 19650は、前述のとおり、「BIM実施に際して推奨される情報管理の考え方や方法」を国際標準として定めたISO国際規格のシリーズです。
　BIMの取組を世界的に先導する英国が、自国内の標準（BS/PAS1192^※シリーズ）を国際的にも導入する目的でISO（国際標準化機構）へ働きかけを行って整備・発行されました。

目的として、国際規格ISO 19650の概要やCDEについてわかりやすく解説します。

[原文]

This document sets out the recommended concepts and principles for business processes across the built environment sector in support of the management and production of information during the life cycle of built assets (referred to as “information management”) when using building information modelling (BIM).

[参考和訳]

この文書では、BIMを使用する場合において、建設資産のライフサイクルを通じた情報の管理・生産（情報管理と呼ばれる）に資する、建設分野の事業プロセスで推奨される考え方や原則を規定する。
ISO 19650-1:2018
Introduction

※BS/PAS 1192：
英国規格協会BSI（British Standards Institute）が策定・発行している一連の公開仕様書PAS。BS1192:2207を基点に、現在全6文書が発行されており、うち5つが「ISO 19650」として国際規格化されている。
なお、PAS（Publicly Available Specification：公開仕様書）とは、公開までの即時性を重視して策定される規格であり、PAS自体の有効期間は発行後6年であるが、後のISO化を視野に入れて策定されることが多い。