人材育成

JACICの取組み

 JACICでは、CIMの普及を目指し様々な取組みを行っています。平成24年度から始まった国土交通省のCIMの試行は、現在までに様々な業務・工事で展開されています。適用する事業段階、関係者の範囲や立場と目的により様々で、その結果、初めてCIM を聴く方にとっては難しく理解し難くなっているとも思います。平成25年度及び平成26年度の土木学会主催のCIM講習会の参加者アンケートでは、「CIMの内容までよく知っている」という回答が全体の三割程度となっており、今後普及促進に向けて、人材の育成・教育は必要不可欠なテーマとなると考えています。

3次元データ等の利活用に関する勉強会「CIM 入門」の開催

 平成28年2月25日(木)に大阪大学大学院工学研究科 矢吹教授を講師として設計・施工と情報伝達の歴史、3次元モデリングの基礎そしてプロダクトモデルなどCIMを構成する基本的知識の習得を目的に標記勉強会を開催しました。

「CIMチャレンジ研修 -CIMSoluthon-」

       「CIMチャレンジ研修 -CIM Soluthon- 入門コース」(平成29年度)の受講者募集


 JACICでは、CIMに関わる技術者の人材育成、関係団体との連携・支援等の一貫として、3次元CADソフトの操作演習とともに、3次元CADソフトを活用した課題演習等を実施する「CIMチャレンジ研修」に取り組むこととしました。
 目玉は、日常業務、また現場を想定した課題に対し、3次元CADソフトを活用し解決する(チャレンジする)演習の場を提供するところにあります。



       平成29年度 「CIMチャレンジ研修 -CIMSoluthon-」実務コース 協力企業の参加募集


 初級者向けの研修(入門コース)に加えて、より実践的でレベルの高いCIMチャレンジ研修(実務コース)を開催するにあたり、協力企業の参加募集を開始します。

JACIC CIM ウェブサイト 冊子「CIMを学ぶ」について

 人材の育成・教育の第一歩として小林一郎熊本大学院教授とともに、「CIM人材育成に関する共同研究」として個別事例を通じてCIM活用のメリットなどを紹介した冊子「CIMを学ぶ」を作成し、平成27年6月に公開しました。 内容は、景観に配慮しながら関係者の合意形成を図りつつ、迅速に進める必要があった国土交通省九州地方整備局が実施した河川激特事業「曽木の滝分水路」(鹿児島県伊佐市)での産官学協働によるCIM活用記録を整理したものです。 計画・設計から施工段階に至るプロセスにおいて、三次元モデルや模型を駆使したマネジメントを行なった記録も含みます。参考事例として、熊本県の白川と湯浦川の事例も紹介しています。本冊子が、CIM に取組まれる方々の参考や教育・訓練の一助となれば幸いです。

JACIC CIM ウェブサイト 冊子「CIMを学ぶⅡ」について

 具体的な事業にCIM適用した事例を通じてCIMを学べる教材として公開した「CIMを学ぶ(河川激特事業でのCIMの実践事例)」に続く第2弾として、「CIMを学ぶⅡ」を作成し平成28年7月に公開しました。
 筆頭の事例である、新水前寺駅地区交通結節点改善事業(熊本県熊本市)では、交通結節点という限られた空間のなかで複数の施設が入り組み、それぞれの管理者が協議調整しながら事業を進めていくというCIM が本領発揮できる事例であり、具体的な活用方法やノウハウ、課題を学べる内容になっています。
 さらに、今後のCIMの導入・普及に向けての道筋を示す、豊富な実践事例に裏付けされた「マネジメント論」が展開されています。

JACIC・熊本大/『CIMを学ぶ』HPに公開/個別事例で効果実感 (建設通信新聞 2015/6/24 一面より)

CIMを学ぶ

 日本建設情報総合センター(JACIC)は、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)に詳しい小林一郎熊本大大学院教授との人材育成・教育に関する共同研究成果として、個別事例を通じてCIM活用のメリットなどを紹介したテキスト『CIMを学ぶ』をホームページで公開した。

 国土交通省九州地方整備局が実施した河川激特事業「曽木の滝分水路」(鹿児島県伊佐市)におけるCIMの活用記録を整理したもので、計画・設計から施工段階に至るまでに、どのように3次元モデルを使ったかなどを掲載し、読み手が効果をイメージできるようにした。

 CIMについては、入門書のようなものや全般的な現状と課題を解説した書籍などはいくつかあるが、特定の事業にスポットを当て、一連のプロセスを具体的に詳述した資料は珍しいという。

 ここで取り上げている分水路事業の特徴は、地元の自治体や自治会、設計コンサルタント、施工会社、学識者、国交省など、関係者が多岐にわたるプロジェクトで、各検討段階に適したモデルを作成し、合意形成に生かした点だ。

 形状検討の初期段階から、3次元モデルや模型などを駆使し、通常1年半以上は要するとみられる設計検討期間が約8カ月で済んだという。また、ウェブ掲示板を介して関係者間の協議調整を進めることで、業務の効率化と設計の質の向上を達成した。施工段階では、法面の安定化や岩掘削の仕上げなどに当たり、「つくりながら考える」ことに効果を発揮した。自然豊かな場所で実施された事業では、当初から「激特事業に景観を」とのキーワードが掲げられ、景観に配慮した分水路設計という観点でもCIMが大いに役立った。曽木の滝分水路は、2012年度グッドデザイン賞でサステナブルデザイン賞を受賞している。

 『CIMを学ぶ』は、土木学会が7月から東京などで開催する「CIM講演会」で配るほか、発注者の勉強会などにも配布する予定。順次、道路分野などの好事例集も作成していく考えだ。

 小林教授は巻頭で「出会う人の95%は、CIMとは3次元CADデータを作ることだと思っている」と指摘し、「モデルを使うことは、手段であって目的ではない」と強調。「モデルを駆使することこそがCIMであり、それはマネジメント以外の何物でもない。改めて、CIMとはマネジメントでなければならないと明言しておきたい」と記している。