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ISO 19650とCDE
インタビュー第4回
川田テクノシステム株式会社におけるCDEの取組み
JACICでは、BIM/CIMの普及推進を目的に、「ISO 19650」、「CDE」等の動向調査を行っています。
今回は、「受発注者間の情報共有システム:basepage」や
「3次元設計システム:V-nasClair」などを組み合わせてISO19650やCDEの運用を支援するサービスを提供している「川田テクノシステム株式会社(以下、KTS)」様にインタビューしました。
同社が開発を進めるデータマネジメントプラットフォームの活用は設計情報を中核に据えた情報管理・活用を特徴としており、その考え方や運用方法はISO19650およびCDEの概念に通ずるものがあります。同機能を導入したプロジェクトでは、情報共有の高度化や業務効率の向上が期待されます。本インタビューではCDEとしてKTS製品を使用する場合の具体的な活用方法を中心にお話を伺いました。
2026年3月

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川田テクノシステム株式会社
豊田 純教氏、伊藤 昌隆氏、大木 真仁氏
- 御社が考えるCDEとはどのようなものでしょうか。
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ISO 19650では、CDEのワークフローが特に重要とされています。
その基本的な流れは、「作業中」、「共有」、「公開」の順となっています。編集可能領域として、「作業中」、編集不可(読取り専用)領域が「共有」、「公開」となっています。
ここで、各フェーズで扱う情報の正確性、精度、理解容易性を向上させることが重要です。 プロジェクト遂行する際、その情報は、業種ごとに分かれた情報を複数の関係者が取り扱うことになるので情報のサイロ化を解消することが情報の運用面で重要となります。
情報の編集可能領域であり、情報流通の起点となる「作業中」のフェーズにおいて、情報の質の向上とサイロ化を解消した高品質な情報を以降のフェーズとなる「共有」、「公開」フェーズに引き渡し、協働性の向上および迅速な意思決定を支援する情報基盤です。

- CDEに関して、御社ではどのようなサービスを提供していますか。
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「作業中」フェーズでは、デスクトップ環境でのCADシステムで各種のデータの整合性、精度、理解容易性を向上し、「共有」・「公開」フェーズにおいて、そのデータをクラウドシステムに連携し、クラウド環境下で関係者間での協議と意思決定を行えるサービス・システム構成となっています。

当社では3次元CADシステム「V-nasClair」、クラウド型情報共有システム「basepage」を組み合わせて、各フェーズで作成される各種データ(図面、計算書、数量表等)、および協議結果や課題へのコメント等の情報を統括管理することにより、迅速な意思決定を支援する情報基盤「データマネジメントプラットフォーム」を構築しています。

- データマネジメントプラットフォームにはどのような活用方法、利点があるのでしょうか。
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1.「作業中」フェーズにおけるCADシステム「V-nasClair」の活用
(1)パラメトリックモデリングおよび統合データ管理による整合性確保・情報の検索性向上
工種別の専用システムのUIと各種の設計基準に準拠した設計計算処理により、生成される3次元モデル、3面図、構造計算書、数量計算書は、全て整合しており、変更作業が発生した場合に発生するトレースおよびチェック作業が大幅に削減できます。
また、階層化モデルツリー上に各種ドキュメントを自動分類するので、情報の取得性、検索性が向上します。
(2)3次元空間情報を活用した情報表現やシミュレーションによる高度な合意形成の支援
(1)で生成された3Dデータは、部位別の材料、設計情報が付与されているので、テクスチャを加工するレンダリングや、数値解析用のパラメータへの自動変換、解析結果の動的なビジュアル表現の自動化を可能としています。これにより、科学的根拠に基づく予測および判断が可能となり、高度な合意形成および迅速な意思決定を支援します。
(3)線形・地質データのマージ機能による協働作業の支援
道路線形や地形・地質データをマージ可能とすることで、複数名で作成した工区別のデータ合成や、線形や地形・地質データを変更した場合に、当該データに追随する多種のデータを自動変更することが可能であり、変更作業の大幅な省力化と複数名の並行作業が可能となり、大幅な工期短縮が図れます。
(4)3Dモデルデータの差分検知、変更箇所・変更内容の確認
(1)にて付与した3Dモデルおよび属性情報の差異を検出する機能により、変更前後の比較箇所の定性および定量評価が迅速に行えます。
ここで、最新バージョンのプロジェクトデータに検知した差分分析データを紐づけ、変更内容、変更根拠などのデータを蓄積することで、ナレッジデータの活用が期待できます。
2.「共有」・「公開」フェーズにおけるクラウド型情報共有システム「basepage」
の活用(1)3Dモデルやエビデンスに基づく協議内容の正確性の向上
1.(1)のプロジェクトファイルをクラウド上で、共有し関係者が遠隔で協議できる3Dコミュニケーションシステム「DX-Space」では、3Dモデルと整合した各種ドキュメントや変更箇所、変更内容の即時閲覧が可能となり、協議内容の正確性を高める効果が期待できます。

(2)受発注者間の指摘事項・レビュー、承認等の各種やりとりの履歴の記録
業務中に発生したトラブルや質疑回答、指示事項等の情報管理システム「課題スレッド」では、受発注者間の指摘事項・レビュー、合否、申請・承認者、各種やりとりの履歴の記録が可能となり、意思決定に関する情報、次の行動判断や実施に関する情報を蓄積することで、類似プロジェクトに対するナレッジやAIへの活用が期待できます。

(3)迅速な意思決定の支援、変更履歴の把握
データ保存履歴、アクセス権限、データの版管理、ステータス状況を管理するために上記のクラウドシステムの共通機能として、ファイル管理:「basepage」ファイルキャビネットを活用します。上記システムを活用することによって、「作業中」フェーズのプロジェクトファイルの運用ができるため、最新版のデータが明確になり、一意のデータを活用できます。
また、データ差分分析情報を付与することで、変更履歴(変更箇所、変更内容の変遷)が把握可能となり、迅速な意思決定の支援とナレッジデータとしての活用が期待できます。
- 今後の展望についてお聞かせください。
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建設生産サイクル全体でCAD/CAEデジタルモデルを基軸とするCDEの構築を目指します。CADシステムに強度計算やシミュレーション機能を拡充し、CAEシステムへ拡張することで、設計から維持管理までのライフサイクル管理を実現します。
CAD/CAEの構造化データと、クラウド上の協議で生じる非構造データ(画像・音声等)を、AIやデータサイエンスで構造化し有機的に連携させることで、データの実用性向上を図ります。
セキュリティ面では、責任範囲の再定義、外部ツール経由の攻撃対策、ブロックチェーン技術によるデータ改ざん検知、AI異常検知、認証強化が重要です。ゼロトラスト・アーキテクチャの徹底と責任範囲の再定義と法規制対応も推進します。
安全で円滑な情報連携により、迅速な意思決定を支援するプラットフォームと万全のサポート体制を構築します。

ご多忙のところ貴重なお時間ありがとうございました。
JACICでは引き続きISO 19650/CDEに関する調査を行っていきたいと思います。
◎ 企業情報
- 会社名
- 川田テクノシステム株式会社
- 本社
- 東京都千代田区神田須田町1-25
- 設立
- 1970年1月
- 事業内容
- 公共インフラストラクチャー(産業基盤分野、生活基盤分野)における調査、企画、設計、維持保全、管理運営等にかかわるシステムインテグレーション、自社製品開発販売、およびコンサルテーション(DX政策、IT戦略、経営戦略)
- ホームページ
- https://www.kts.co.jp/




