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EM BIM Handbook

BIM/CIMパンフレット


EU BIM Handbook(日本語版)の公表について

はじめに

 JACICは、BIM/CIMに係る技術的な情報交換を行うための体制を構築するため、2016年にUK BIM taskGroupとMoUを締結しました。これに基づき、2017年度は、EU各国のBIMの取組みを紹介している「EU BIM handbook」について提供いただきました。また、本書の日本語版を双方のホームページで公表することとなりました。
 この度、JACICは日本語版を作成しましたので公開をいたします。

 EU BIM Handbook(日本語版)(PDFの閲覧、ダウンロードが可能です)


 なお、EU BIMタスクグループのホームページ(http://www.eubim.eu/handbook-selection/)でも公開されています。

EU BIM HANDBOOKS
※EU BIMタスクグループのHPでは、約19か国の言語で翻訳したハンドブックが公開される予定です。

EU BIM Handbookの概要

■目 的

 本書ではBIMの導入における成功事例や策定された基準を紹介するとともに、公共機関相互および欧州建設部門との整合性を保つために作成されているものです。主な目的は以下のとおりです。
  ▶ 共通の理解と言語を構築する
  ▶ BIMの一貫した導入を共有し促進する
  ▶ 策定された基準と共通原則の普及を奨励する

■構 成

 本書の構成は、下記に示すとおりです。

EU BIM HANDBOOKS構成

 欧州における公共事業発注者の利害関係者の観点から、以下に示すBIMに関する主要な課題について、「第2章 一般原則」の中で説明しています。

【一般原則に関わる主要な課題】
  ▶ BIMが公共セクターおよび公共事業発注者に対して提案する価値
  ▶ BIMの普及を奨励するために公共セクター組織がリーダーシップを発揮しなければならない理由
  ▶ BIM導入に向けて欧州共通のアプローチを採用することによるメリット
  ▶ 政府や公共機関が戦略的なレベルでBIMをどのように導入しているか
  ▶ プロジェクトレベルで一貫性のある業務体制を可能にするBIMの実装における一般的な定義
【奨励されるアクションに関わる主要な課題】
  ▶ 欧州共通の戦略的アプローチをどのように導入するか
  ▶ 欧州共通のパフォーマンス水準を事業レベルでどのように実装するか
  ▶ 公共セクター事業の戦略レベルと実装レベルでBIMがどのように導入されているか - 事例及びケーススタディ

■内容(概要)

 本書の取りまとめにあたってはEU23ヶ国の政府機関が参加し、「公共部門におけるBIMプログラムの戦略的枠組み」、「業界育成」や「共通のフレームワーク」に加えて、参加各国におけるBIM普及調査結果等が記載されています。
 本書では、BIMの普及拡大を通じた経済成長と競争力の促進および公的資金への価値の提供という、欧州の政府や公共事業発注者が直面する重要度が増しつつある課題に対応して、BIM導入を拡大することを奨励しています。また、BIM導入に向けて、欧州全体の戦略的アプローチを調和させる機会が存在すると、次のように結論付けています。

 デジタル変革を促す政策および公共調達手法は、建設分野におけるこの変化を支えることができる強力なツールとして奨励されており、そうしたトップダウン型のリーダーシップが発揮されない限り、情報技術の低採用率や偏在は今後も継続していく可能性が高く、結果として、建設分野での大幅な生産性や価値の向上は望めない。
 政府および公共分野の組織は、未だ活用されていないデジタル技術が建設分野で採用される機会を拡大させるためにリーダーシップを発揮することで、より良い公共サービスの提供および公的資金の価値向上を図ることができる。
 しかしながら、政府の力だけでこの目標を達成することはできない。このデジタル変革を達成するためには、商業モデル、教育、技能開発、中小企業、既存の慣習等に十分に配慮しながら、欧州全体および各国レベルで業界と協力することが不可欠である。
 本施策の目標は、民間との協力の下に、世界的な基準を確立し得る高い競争力を持ち開かれたデジタル建設市場を構築することである。この目標を達成するために、欧州全体および各国において公共分野の協調された行動が強く求められる。

 最後に、本書は、発注者およびサプライチェーンに対して、大規模な変革が必要となる建設分野のデジタル革命に向けた第一歩についても解説しています。この変革は直ちに達成することができるものではなく、戦略的なBIM採用を成功させるためには、BIM要件の段階的な増加に伴う調整期間が必要なことがこれまでの経験において明らかになっており、政府および公共分野の発注者が建設分野をデジタル時代へと移行させるうえで、必要な支援を行うことを目的として作成されています。